離職までの手続きガイド
転職やキャリアチェンジ、家庭の事情など、さまざまな理由で「離職」を考える場面があります。
しかし離職は、単に「会社を辞めます」と伝えるだけではなく、退職願・引き継ぎ・社会保険や税金の手続きなど、複数のステップを踏む必要があります。ここでは、スムーズかつトラブルなく離職するための流れを詳しく解説します。
1. 退職の意思を固める前に準備すること
転職先や次のステップを検討
次が決まっていない場合は、生活費のシミュレーションや就職活動の準備をしておきましょう。
会社の就業規則を確認
退職願の提出期限(「1ヶ月前」など)が定められていることが多いです。
退職日を逆算
有給休暇を消化するか、引き継ぎ期間をどれくらい確保するかを考えます。
2. 上司への退職意思の伝え方
タイミング
就業規則の期限より余裕をもって、繁忙期を避けて相談するのがベストです。
伝え方
「一身上の都合により退職したい」とシンプルに伝えれば十分です。詳細を説明する義務はありません。
注意点
感情的にならず、誠実に伝えることが大切です。
3. 退職願・退職届の提出
「退職願」は退職したい意思を表明する書類です。
「退職届」は退職が正式に承認された後に提出する書類です。
会社によって「どちらが必要か」「形式は紙かデータか」が異なるため、事前に確認しておきましょう。
記載例
退職願
私儀、このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
令和〇年〇月〇日
所属 〇〇部
氏名 〇〇〇〇
4. 業務の引き継ぎ
離職時にもっとも重要なのが「引き継ぎ」です。
業務マニュアルの作成
担当案件、取引先リスト、作業手順をまとめます。
口頭だけでなく資料化
Excelやドキュメントなどで残すと後任者が助かります。
後任者との調整
早めに顔合わせをしておくとスムーズです。
5. 有給休暇・残業代の精算
有給休暇
退職前にまとめて消化するか、買い取りが可能な場合もあります。
残業代
未払いがあれば必ず精算されます。
ポイント
有給は労働者の権利なので、会社の都合で拒否されることは基本的にありません。
6. 社会保険・税金関係の手続き
離職後は、公的手続きがいくつか必要になります。
雇用保険
ハローワークで「離職票」を提出し、失業給付の手続きをします。
健康保険
国民健康保険に加入するか、任意継続制度を利用するかを選びます。
年金
国民年金への切り替えが必要です。
住民税
退職後は自分で納付する場合があるため注意が必要です。
7. 会社から受け取る書類の確認
離職票(失業給付の申請に必要)
源泉徴収票(年末調整・確定申告に必要)
雇用保険被保険者証
年金手帳(返却される場合あり)
チェックリスト化して漏れがないようにしましょう。
8. 最終出勤日と挨拶
最終日にやること
会社備品(PC、社員証、鍵など)を返却します。
挨拶
部署や取引先へ感謝を伝えておくと、人脈が次につながります。
まとめ
離職は「退職願を出すだけ」ではなく、上司への相談、退職願提出、引き継ぎ、有給消化、社会保険・税金手続き、最終出勤日といった流れをきちんと踏む必要があります。
一つひとつを丁寧にこなしていけば、トラブルなく新しいスタートを切ることができます。