退職か休職か迷ったときに考えるべき3つの視点
仕事のストレスから心の調子を崩してしまい、「このまま働き続けるのは無理かも…」と感じていませんか? 退職してしまうべきか、それとも休職して回復を待つべきか―この決断に悩むのは当然のことですし、決して恥ずかしいことではありません。
悩んでいるあなたは今、とても不安でつらい状況にいることでしょう。「辞めてしまったら生活はどうなるのだろう」「休職なんてしたら周りに迷惑をかけてしまうのでは…」といった葛藤もあるかもしれません。退職と休職、どちらを選ぶべきか簡単には答えが出せず、苦しいですよね。
そこで本記事では、退職か休職か迷ったときに考えるべき3つの視点をご紹介します。それぞれの観点から自分の状況を見つめ直すことで、判断のヒントにしてみてください。
1. 自分の体調・治療状況
まず何よりも、あなた自身の心と体の状態を最優先に考えましょう。うつ病などメンタルヘルスの不調で仕事が辛いと感じているなら、治療に専念して回復を図ることが大切です。
医師から休職の診断が出ている場合は、会社の制度を利用して一時的に休むことができます。多くの企業では一定期間の休職制度があり、健康保険から「傷病手当金」が支給されることもあります。これにより、収入面の不安を軽減しながら療養に専念できます。
症状が重い場合は、焦って重大な決断を下すよりも、まずは心身のケアを優先しましょう。無理をして働き続けても、回復が遅れてしまう可能性が高くなります。主治医と相談し、今は「休むべきとき」かどうか、客観的な判断を得ることが大切です。
一方で、治療を続けても回復の見込みが立たないほど状態が悪い場合は、長期の休職よりも退職して環境を変えた方が良いケースもあります。会社の休職期間には限りがありますし、復職の見通しが立たないなら、退職を選ぶのもひとつの選択です。
2. 職場の環境・支援体制
次に、今の職場の環境を振り返ってみましょう。職場は、あなたのメンタルヘルスにどのような影響を与えているでしょうか?
まず確認したいのは、職場に理解があるかどうか。産業医や人事担当に相談しやすい環境があるか、休職制度が整備されているか、復職後に配慮が受けられそうか。こうした支援体制があるなら、ひとまず休職して回復を目指すのが良いかもしれません。
一方で、職場そのものがストレスの原因となっている場合は注意が必要です。ハラスメントや過度な業務量、人間関係の悪化などが背景にある場合、休職して一時的に離れても、復職後にまた同じ問題に直面する可能性があります。
もし「この環境でまた働くのは無理だ」と感じているなら、退職して新しい職場環境を探すことも検討に値します。部署異動や職種変更が可能であれば、会社に相談してみるのも一つの手です。
「休職は甘えではないか」「周囲に迷惑をかけるのではないか」といった不安を抱く方も多いですが、必要な休養を取らずに無理をして働き続けることの方が、長い目で見ると大きなリスクにつながります。安心して療養できる環境を整えるのは、あなた自身と職場双方のためでもあるのです。
3. 今後のキャリアや生活設計
最後に、これからのキャリアや生活について考えてみましょう。メンタルヘルスの不調とキャリアの問題は密接に関わっています。選択によって将来にどんな影響が出るのかを具体的にイメージしてみることが大切です。
まず経済的な面では、休職中の収入が減ることがありますが、「傷病手当金」などの制度を活用すれば、一定の生活費を確保することは可能です。退職した場合は、条件を満たせば失業手当を受給できますが、給付までに待機期間があるなど、注意点もあります。
十分な貯金がないまま退職してしまうと、失業手当が切れた時点で収入が途絶えるため、生活が厳しくなることも。自分や家族の生活をどのように支えていくのか、今後の収入の見通しを含めて現実的に考えることが必要です。
キャリアへの影響については、休職であれば職歴にブランクができることは少なく、復職できればスムーズに働き続けられます。一方で退職すると、履歴書上に「空白の期間」が生まれる可能性があります。ただし、近年ではメンタルヘルスへの理解が深まっており、理由を正直に伝えることで問題にならないケースも増えています。
また、今の仕事に対してどう感じているかも大切なポイントです。いまは辛くても本当は続けたいのか、それともこの機会に別の道を考えたいのか。将来的にどのような働き方をしたいのかによって、選択肢は変わってきます。
最後に 一人で抱え込まないで
退職か休職か。どちらの道にもメリット・デメリットがありますし、正解は人それぞれです。だからこそ、ひとりで悩みすぎないでください。信頼できる医師やカウンセラー、キャリアコンサルタントなどに相談することで、自分の気持ちや希望が整理され、より納得のいく決断ができるはずです。
あなたは今、とてもつらい状況の中で、一生懸命に考えていることと思います。その姿勢は、きっとあなた自身のこれからの力になります。どうか自分を責めず、いたわりながら、ゆっくりと道を選んでください。
あなたの決断が、心と生活にとって最もよい方向へとつながることを願っています。
「ハートのコンパス」は、こころの病気に向き合うメンタルヘルスケア特化型サービスです。
無料相談も実施しておりますので、お気軽にご連絡ください。
下記より公式LINEを登録の上、メッセージください。